「いくら用意すればいいんだ?」
別居中の父親(旦那)の口から出てきたのは、想定外の一言……❕
「用意できるの……⁉⁉⁉」
咄嗟に聞き返してしまいました。
さらに不機嫌の度合いを増した顔の父親(旦那)は
「だから、いくら要るんだ?」
――ということは、何? どういうこと?? お金ならある、ってこと???
「いくら要るんだ⁉」
言葉を失っておりましたら、畳みかけるように問われました。
「ここの分譲価格の半分、と退職金残額の半分、あと年金分割」
以前からの提案を、そのまま告げました。
「それだけでいいんだな?」
――ナニコレ?
そうなのです。この人の言いようは、まるで≪たったそれだけでいいんだな≫とでもいうような……
――どういうこと? 本当は資産あるとでも……???
何故か強気で押してくる訳も分からず、混乱しているところへ
「その代わり、今後、これ以上要求は受け付けないぞ。俺の実家の財産分与も放棄でいいな」
――あ、そういうこと……!
これも、要領のいい方でしたら、資産のあろうご実家から、うまく援助してもらったり……ということで、暮らし向きもかなり楽になっていたりするのでしょうが……
如何せん、性分なのか…… その意味では、子どもたちには苦労を負わせてしまったなぁ……とも思うのですが……
いまも奨学金の返済を、それぞれ負っているという状態です。
それにしたって、親子5人、とりあえず健康に生活できていたのですから、個人的には、そこには何の不足もありません。
まあ、兎に角、要は≪それ≫が言いたかったのでしょう!
もとより、ご実家の財産など、あてになんぞしておりませんので、
「それは構わないよ」
と即答。 ……したものの、だんだん腹が立ってきました……‼
そもそもが、ここを明け渡してくれれば、新たな物件購入、もしくは賃貸費用も引っ越し費用も発生しない訳ですし……
――そうだった、いまの賃貸も更新したばかりなんだった……!
とまあ、それは、この際関係ないのかもしれませんが……
――そんなに言うのなら……、 と思って
「引っ越しとか、諸経費とかの負担で、プラス100万」と言ってみたのです。
「分かった。それでいいんだな」
不機嫌この上ない様子ながらも、了承の返事が返って来たではありませんか……⁉
それにしても、いったいどこからお金が出てくるというのか?
大いなる疑問は残されたまま……
――本当に用意できるの?
「急ぐんだけど……」
この時が、1月上旬だったでしょうか……
末っ子が、こちらへ帰ってくるのが、早ければ1月末。遅くとも2月初旬。
何としても2月に入るまでには、住居を確保しておきたいところです。
「いつまでに欲しいんだ?」
「20日には欲しい」
「……わかった」
結局『これ以上の金銭的要求は一切しない』との念書を交わす、ことを条件に、交渉成立となりました。
なのですが、……まったく、本当に、まったくの想定外の展開です。
――どういうことなんだろう?
いったい、どこからお金が出てくるのか、半信半疑のまま、交渉を終えました。
疑問は残るし、突っ込みどころ満載ではありますが、何はともあれ、財産分与となり、資金調達の目途が付いたのです。
これを以って、再度、不動産屋巡り再開。
以前、見せてもらった、比較的、駅チカのマンション。半年ほど空き状態、築40年ほどのリノベーション物件。気になるのは、1階ということですが、陽当たりも良く、床から冷え込むような感じもなく……
以前、1階にいたときは、冬場、床からの冷え込みが、本当に辛かったのです……
「先日の物件、お話を進めていただきたいのですが」との電話を入れました。
自己資金がある程度用意できれば、残額はローンが組めるかも……、と言われた物件です。
「分かりました」と言われ、状況を確認して折り返すとのこと。
しばしあって……
「残念ですが、昨日購入したいという人が……」
――えー⁉ 半年も売れ残ってた、って言ってたのに……!
そうは思っても、いまさら、どうしようもありません……!
「じゃあ、2階の方はどうでしょう?」
同じマンションの2階、築当時の古いままですが、その分安い。古さは、この際我慢しよう!
「あ、あちらも既に購入済となっています」
こちらも思いがけない展開が……
無くなったとなると、いっそう逃したものが良いものに見えてくる……‼
まさに、あの状態……‼ というところへ追い打ちをかけるかの如くに
「あのですね、申し訳ないのですが、お客様の場合、こちらの物件ではローンは組めないんです……」
不動産屋さんの言葉が、耳に当てたスマホの中、遠いところで響いておりました……
物言いは、非常に丁寧なのですが、「お話になりませんよ」的なニュアンスが、しっかりと、それはそれはしっかりと、そこには存在しておりました……
こちらは少し前(かなり?かな(笑))
小諸方面の温泉に行ってきたときのものです🎶
小諸城大手門です。
隠れ宿的な温泉旅館が、
何とも心地好かった旅でした✨